GDPRとITPと2019年以降のターゲティング広告


2019年6月現在、プライバシーの規制は世界的に厳してくなってきています。ヨーロッパにおけるGDPR、AppleによるITP。


また、AppleはiOS13にて「Sign in with Apple」機能をリリースします。これは、Face IDでログインすることでログインした際のメールアドレスを匿名化し、アカウント情報の漏洩を防ぐ機能になります。Googleによる「Sign in with Google」とは真逆の動きですね。Facebookもです。


おそらくGoogleやFacebookも世界的なプライバシー重視の流れには逆らえないので今後はターゲティング広告のあり方も変わってくるでしょう。


最も影響があるのがリターゲティング広告だと思われます。これまでのように、中長期間のユーザーの行動履歴を元にターゲットリストを作成することが難しくなります。オーディエンスターゲティング広告も中長期間の行動履歴を元にしたターゲティングが難しくなります。


リターゲティング広告配信を戦略にしていたCriteo(クリテオ)も、2018年に新規獲得にも注力する戦略に変更することをリリースしました。


このような状況を踏まえると、2019年以降のオンライン広告業界のトレンドは新規獲得とプレースメント重視のブランディングになることが予測されます。


なんとなく10年前のオンライン広告業界に戻った感じでしょうか。サーチ広告で新規顧客を獲得し、大手ポータル面でブランディングを行う。Yahoo!の勢いがちょっと戻ってくるかもしれないですね。


FIKX(フィックス)でもディスプレイ広告を配信していますが、重視しているのはプレースメントの質です。その点でYahoo!ポータルの面は好んで使っています。それぞれの面も知名度がありますし、実際にわたしも日々使っています。また、サイトを知っている分、面を選ぶのも簡単でリーチも稼げます。ただ、現在はサーチキーワードを組み合わせた配信(過去30日間に1回以上指定のキーワードを検索したユーザーに配信)をしていますが、今後はITPの影響で変わってくるかもしれないので心配ですね。もしかしたらiOSユーザーは過去1日のデータに限られるかもしれません。もしかしたら、すでに中身はそうなっているかも。


一方、Google広告はオーディエンスターゲティングが売りになっていますが、拡張機能を入れてしまうと慎重な拡張でもかなりターゲティングの範囲が広がってしまいます。ターゲット地域は日本、言語は日本語にしているのに配信先を見ると英語のサイトがかなり含まれていたり。なので、面倒ですし、リーチは減ってしまいますが、FIKX(フィックス)ではプレースメントを指定してターゲットに合ったサイトをピックアップしています。また、Gmail広告はプレースメントがGmail内に限られるので信用して使っています。


インパクトの大きい業界でいうと、購入までに時間のかかる耐久消費財を扱う業界でしょう。サイトを訪れた人の効率的な獲得が難しくなるので、今後はより自分たちのターゲットがどこにいて、どういう行動の後購入に至るのかという仮説立てと検証が重要になります。


注意したいのが、10年前のように媒体単位で見たCPAだけで広告を評価する、という風潮に戻らないことです。あくまでサイト全体で見た時に、自分たちの立てたユーザーの行動に関する仮説が合っていたのか、間違っていたのかを検証する必要があります。


FIKX(フィックス)/アクセス解析コンサルティング/広告運用コンサルティング

FIKX(フィックス)はアクセス解析・ウェブ改善コンサルティング、広告運用コンサルティングを行っています。Googleアナリティクスやタグマネージャーの導入支援もお任せください。